野生のハリネズミ
日本には、もともとハリネズミは現生していません。
動物園やペットショップにしかいないはずの他所から持ち込まれた生物「外来種」が、近隣で野生化している現状があります。
人為的に放たれて、生き延び増殖して野生化していくハリネズミが日本にいるのです。
野生種ハリネズミの生息
イギリスから広まったハリネズミは、ほぼヨーロッパ全域と東は大陸アジア、南はアフリカまでハリネズミ種として分布しています。
アフリカのハリネズミは冬眠しませんが、寒さの厳しいヨーロッパのハリネズミは冬眠します。
春になると冬眠から覚めたハリネズミが、民家近くまでやってきてゴミステーションに沸いた虫などを食べに来るのです。
ハリネズミは分類学上「食虫目」に入りますが、ヨーロッパのハリネズミは、木の実やなども食べる雑食になっています。
アフリカのハリネズミは、ほぼ肉食で昆虫や小動物を餌として食べます。
ドイツをはじめとしたほとんどの国で現生のハリネズミは保護されていて、捕獲や飼育は禁止されています。
日本で野生化したハリネズミ
静岡県伊東市ではアジア産の「マンシュウハリネズミ」、神奈川県小田原市ではヨーロッパなどに住む「ナミハリネズミ」が野生化しています。
伊東市の生息範囲はかなり広く、相当数いるものと見られています。
栃木県真岡市でも野生化の可能性があると指摘されています。
これにより、マンシュウハリネズミ、ナミハリネズミなどを含むエリナケウス属を政府は「特定外来生物」に指定し、「外来生物法」によって、販売・飼育・移動が禁じられるようになりました。
可愛いからという理由での安易な飼育と、飼育できなくなったからと原野に放してしまう事で、多くの外来生物が日本の生態系に影響を与えています。
現在、ペットとして飼われている「ヨツユビハリネズミ」が、もしも脱走したり飼えないからと飼い主が解き放すことがあれば、餌が手に入り巣を作り繁殖を繰り返すことで、住みやすい場所になり野生化して「特定外来生物」に指定されることもありうるのです。
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